別冊花とゆめ 6月号レビュー

さて、お待たせしました。
別冊花とゆめ 6月号のレビューを御送りします。

尚、このレビューを読んだ諸君! 必ず6月号をゲットするのだよ!^^

ネタバレですので、自己責任で読んで下さいね。
以下、続きからどぞ!




 速水真澄と鷹宮紫織は披露宴会場の喫茶室で対峙していた。

「ええ 僕が紫のバラの人です」

ーー真澄様……!

「お……、お認めになりますの……?
 11も年下の女の子に何年も特別な思いを寄せていらしたことを……
 舞台のたびに紫のバラを贈って励まし
 学費まで支援なさっていたことを……」

紫織はテーブル越しに真澄に向って糾弾していた。
真澄は平然と紫織の問いに答えていた。

「ええ ぼくはあの子のファンですから」

「ファン……?」

「はじめてあの子の舞台を見た時……
 あの子が舞台で必死に生きる姿に心を魅かれました
 自分にはない生きる情熱のようなものを感じて……
 あんなことははじめてだった……」

「それ以来 あの子の舞台はぼくにとって特別なものになった……。
 ひとは誰でも一度は誰かのファンになったことがるのではないですか?
 アイドルや歌手やスポーツ選手など……。
 でも僕は それを公に出来る立場じゃない
 大都芸能を率いる人間としてね
 それにあの子はぼくを憎んでいた……」

紫織は立ったまま、真澄の話を聞いていた。
顔が青ざめる。

「だから 紫のバラを贈り続けて陰で応援なさっていたと……?
 誰よりも熱心なファンとして……?」

「ええ 紫織さん」

「熱心なファン……
 本当にそれだけですの……?
 あなたは嘘をついてらっしゃる……
 あの子をかばおうとして……
 あなたがあの子の紫のバラの人だと知って……
 私 苦しみましたわ……
 あなたが今まであの子になさってきた冷たい仕打……
 それがすべてあの子への深い愛情から出ていたものだと気づいて……
 それからあの子が憎くて憎くてたまらなかった
 だからあの子をあなたから遠ざけようとあんなことを……」

紫織はテーブルに散らばった北島マヤの引き裂かれた写真の断片に視線を落とした。
が、次の瞬間叫んでいた。

「あなたを愛しているからですわ 真澄様!
 あなたを愛しているから わたくしあんなことを……!」

「正直に話して下さって感謝します 紫織さん
 だが 僕はあなたに愛される資格などない……
 北島マヤがあなたのウェディングドレスにを汚した件ですが……
 あのときブライダルルームの防犯カメラは作動していなかったんです」

白目になって固まる紫織。

「他の件はすべて調べがつきました。
 でも ウェディングドレスの件だけは証人が誰もいない。
 真実を知っている人の口から聞くしかなかった
 紫織さん、あなたから……」

「では 私に嘘を……」

「僕は防犯カメラがあるといっただけです。
 そう思い込んだのはあなたです」

速水の冷たい瞳。表情を崩す事無く淡々と紫織の罪を糾弾する。

ーー真澄様……!

「僕はこんな人間です。 仕事ではもっと汚い手を使う……
 僕との結婚を考え直してくれませんか?
 紫織さん」

白目で向き合う二人。流れる沈黙。

ーー真澄……様……?!

紫織は必死に引き留めようとした。

「い……意味がわかっておっしゃってますの……? 真澄様
 私との結婚を取りやめるということは
 今 鷹宮グループと進めている大型プロジェクトの企画も取りやめるという事ですわよ……!
 ……
 何故ですの……
 目の前にある成功と出世を棒にふってまで…… 何故……?!」

速水は表情を崩さない。が、一抹の清々しさを漂わせながら答えた。

「馬鹿な事をしたくなったんです。紫織さん。
 今まで自分が幸せになりたいなど考えたこともなかった。
 僕は幸せの意味すらわかっていなかったのかもしれない……
 ……
 あなたは美しく聡明で素晴らしい女性です。
 でも、同じ夜空を眺めていても
 あなたと僕とでは見ているものも感じ方も違う……。
 僕は空の星を探し あなたは都会の夜景に感動する……。
 結婚しても理解し合えないところがきっとたくさん出て来る……。
 あなたが招待してくれたアストリア号で用意されていた部屋に通された時……
 僕はやっと気がついたんです
 あなたとは結婚出来ない……と
 帰ろうとした時、出港の汽笛が鳴った……」

表情を変えず、わずかに白目になって淡々と話し続ける真澄。

「許して下さい。
 僕ではあなたを幸せに出来ない。
 紫織さん……。
 僕もまた……」

紫織は世界が崩れたように思った。
ゆっくりと席に座る。紫織は言葉が出ない。白目になったままである。
かろうじて、一言。

「そう……ですの…… 私も幸せになれないのは嫌ですわ……」

白目になった紫織は淡々と婚約披露パーティの事、ハネムーンの事、披露宴の事、新しいウェディングドレスの事、新居の事を話し続ける。
そして、泣き出した。
が、そんな紫織を見ても真澄の表情は変わらない。白目になったまま紫織を見ている。

「あなたには本当にすまない……
 どんなに謝ってもあなたを傷つけたことにかわりはない。
 どうか僕を許して下さい」

泣き続ける紫織。時間ばかりが経って行く。
ひとしきり泣くと、とうとう、紫織が話し出した。

「わかりましたわ
 真澄様
 もう どんなことをしても お心は変りませんのね。
 私…… きっと今ひどい顔をしていますわね。
 化粧室へ行ってまいりますわ」

席を立つ紫織。2~3歩歩きかけて立ち止まる。真澄に背を向けたまま、問いかけた。

「真澄様…… ひとつだけお聞きしたい事が……」

紫織に背を向けたまま、真澄は紫織の問いを待っている。目に表情が戻る。

「アストリア号であのスウィートルームはお使いになったの……?
 あの子と二人で……」

ーー紫織さん!?

「いいえ ぼくもあの子も広間のソファで寝ました。
 部屋の鍵を失くしたもので……」

「そう……ですの。安心しましたわ……」

真澄は紫織の言動にわずかに不信感を覚えた。
紫織の足音が遠ざかる。
紫織は喫茶室の 一階下にある化粧室へと向った。
紫織以外誰もいない。
化粧室のパウダールーム。いくつかのブースがある。
紫織は手持ちのコンパクトを取り出し自身の顔を鏡に写した。

「ひどい顔……、真澄様に嫌われても仕方ないわね……
 しかたな……」

コンパクトを蛇口にたたきつける。
鏡がひび割れ、ひび割れた鏡に映る自身の顔。ひび割れた自分自身。
鏡の破片を取り上げる紫織。
右手の指で破片をつまみ、大きな鏡に自分自身を映す。涙が流れた。

ーー耐えられない こんなこと!
  あなたを失うくらいなら……!
  ……
  ごめんなさい おじいさま ごめんなさい お父様 お母様!

一方、真澄は喫茶室で紫織が戻るのを待っていた。
が、紫織はなかなか帰ってこない。

「遅いな…… もうずいぶん経つのに……。
 妙だな…… 化粧直しにそんあに時間がかかるのか……?」

真澄は喫茶室を出ると通りがかったウェイトレスに紫織の様子を見に行かせた。
化粧室に入っていったウェイトレスの悲鳴が響き渡った。

「きゃあああああっ!
 大変です! お客様 お連れ様が!」

速水が化粧室に駆けつけると血だらけになり床に座り込む紫織の姿があった。
自殺を計った紫織を見つめ、声もなく立ち尽くす真澄。

スタッフ達が救急車を呼ぶ声が辺りに響く。

ーー紫織さん……! なんてことを……!

一方、大都映画撮影所では、姫川亜弓が暗闇の中、赤目慶と小野寺に「紅天女」の演技を見せていた。
舞台の上、キャットウォークに姿を現す亜弓。「紅天女」の出の部分を演じる。
神の視点の亜弓。
そして、一本のロープをつたって降りる亜弓。
途中、身につけた布をはらりと落とす。
地上に降り立つ時、姫神から阿古夜へと変身していた。
舞台に立った亜弓を見守る姫川歌子。

続く

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ジャンル : アニメ・コミック

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