「ガラスの仮面」の表現

 この夏、オリジナルのノベルが書きたくなっていろいろな小説の書き方の本を物色した。
本を探していて、手塚治虫先生の「マンガの描き方」という本を見つけた。
何より、解説はあの夏目房之介先生だ。
これは読まねばと思って読んで見た。
その中で夏目先生の言葉を引用すると
「何が『世界に冠たる』由縁なのか?その答えの一つは、本書の中にも書かれている。(中略)手塚が戦後初期にやったことの一つは、これらの表情要素を様々に工夫して多様な心理描写を可能にし、それによって複雑な心理劇をマンガで可能にしたということだ。」
とある。
また、「10年メシが食える漫画家入門」(樹崎 聖著)という本の71ページに「漫画には、映画と違って音楽がない。漫画は、アニメのようには動かない。だが漫画は、そのどちらもできない必殺技を持っている。それがコマ割りである。」と書いてある。

以上の二つのお話から「ガラスの仮面」を振り返ってみると、見事なコマ割りと登場人物達の表情を細かく描き分ける事によって、素晴らしい表現をしていると思う。
例えば、私の大好きなシーンに速水さんとマヤがボートに乗っているシーンがあります。(コミックス21巻 113ページ)
 速水さんはマヤの言葉に「紫のバラの人」が自分であると言おうか言うまいか迷います。その複雑な心境を、アップ引きアップのコマ割りと人物の表情、次ページの黒背景の沈黙のコマによって見事に表現しています。

113ページの左下、読者は速水さんは言うんだろうか?と思いながらページをめくります。
そして、黒背景の沈黙のコマ。フッと笑って何も言わない速水さん。

ああ、この人は、マヤがどんな人でもいいと言ってるのに、でも、言わないんだ。
自分が「紫のバラの人」だといえば、マヤから「大っ嫌い」と罵倒される事もないだろうに、それでも言わないんだ。ああ、切ない!
と読者の心に訴えてやまないわけです。

美内先生って、本当に本当に凄いなあ〜!!!!


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テーマ : ガラスの仮面
ジャンル : アニメ・コミック

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